かえるの学校より、新春のご挨拶……
みなさんのご健康とご多幸をお祈り申し上げます。

教林坊の庭園@近江八幡市安土町
(1)前号に続いて、近江八幡市安土町のカエルさんをご紹介します。
こちら教林坊は、推古13年に聖徳太子によって創建されたという、古いお寺です。現在は天台宗の寺院で、紅葉の名所として名高く、1年を通じて訪れる人も多くおりますが、昭和50年頃には荒れ果てた無人寺でした。その荒れ果てた寺院を復興させたのが、現在のご住職。平成7年に24歳で住職となり、尽力を続けて現在に至ります。
(2)その復興の際の手掛かりとなったのが、小堀遠州作と伝わる庭園でした。庫裏と庭園を、安土町(当時)に文化財としての調査を依頼し、庫裏は江戸時代前期の貴重な里坊建築として、庭園は桃山様式の名庭として街の文化財に指定されたことで、復興への足かがりとしたと言います。
(3)その小堀遠州作の庭園は、 巨石を用いて鶴・亀・蛙・枯れ滝など豪快に表現した池泉回遊式庭園で、その奥には聖徳太子が説法をしたという、「太子の説法岩」という巨石があります。この庭園のキモは、この説法岩と鶴亀蛙石の配置だとのこと。

(4)聖徳太子が説法をするのを、鶴(左端の細長い石)と亀(池の中右側にある岩)は、太子の方を向いて聞いていますが、蛙(鶴のやや右上にある岩)は背中を向けて聞いていなかった、というお話だとのこと。

(5)見事に背を向けてますね。しかし蛙の鼓膜は側面にあるから、例え背を向けているようにみえても、しっかり聞いているのではないかと、つい援護したくなります。
(6)こちらの庭園は、庫裏の中からゆっくり眺めることもできます。窓の配置で庭園を掛け軸のように切り取って見せる「掛軸庭園」が見所です。

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教林坊