水戸の別雷皇太神(2018年9月号)
■水戸の雷神様
茨城県水戸市の別雷皇太神(べつらいこうたいじん)は、地元では雷神社(らいじんじゃ)・雷神様の愛称で親しまれているお社です。歴史は古く、神亀元年(724年)、京都の加茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ、通称は上賀茂神社)から御分祀をこの地に祀ったことがはじまりと言われています。佐竹氏、徳川氏の産士神として信仰され、特に雷難消除、武運長久の守護神としてあがめられてきました。関東三雷神の一つでもあります。
この別雷神は、雨乞い・水稲耕作の神であり、そのお使いが蛙様とのことです。それにちなんで、境内にはあちこちに蛙様が鎮座していました。そういえば、東京の雷電稲荷神社でも、石蛙が境内に祀られていました。あの石蛙もやはり、雷神様のお使いなのでしょう(2013年9月号)。
■蛙様
社務所の前には、大きな蛙様が鎮座しています。その背中には五匹の子蛙。それで合計六匹となり、「六福六蛙(ろくふくむかえる)」。何を迎えるのかというと、「無事かえる(交通安全)」「金かえる(金運上昇)」「若がえる(不老長寿)」「良く考える(知徳上昇、学業成就)」「体がもとにかえる(無病息災)」「卵→オタマジャクシ→蛙(出世・開運)」でした。
■他にも定番のあの位置と、珍しいタイプまで
さて他の蛙様はどこにいたかというと、まずは定番手水鉢の中。とっても涼しげです。背中に小さな子蛙を背負っています。
そしてもう一箇所、これは設置された場所も、鎮座しているものも、ちょっと珍しいものでした。賽銭箱の上にギロ。ギロとは、ラテン音楽で使用される楽器です。その蛙バージョンは、背中を附属の棒で撫でさすると、蛙の声に聞こえるとか聞こえないとか。そしてその音が雷の音となり、福を招くそうです。
■蛙様づくし
社務所では、お使いの蛙様にちなんで、蛙モチーフのお守りや、オリジナル御朱印帳も蛙づくし。この御朱印帳は、愛好家の間でも評判がいいようです。お土産として、お守りを二種類買いました。オーソドックスなタイプのお守りは、表と裏で模様がちがってました。