かえるの学校

アマガエルは車の音で動きが鈍くなる!?(2019年4月号)

カエルが輪禍に遭うのには理由があった

当校のご近所でも、アマガエルの轢死体を見かけることがあります。
アマガエルに限らず、都市部など緑地が分断された生息地に棲む動物には、街路樹・芝生・道路などを通り、近隣の新しい生息地へと移動・拡大(移動分散)する行動が見られます。道路網の発達した現代において、その移動時に交通騒音が影響するのかどうか、これまで実証実験は行われてきませんでした。
そこに注目した北海道大学、国立環境研究所、森林総合研究所の研究チームがニホンアマガエルを用いて実験した結果が、昨年末に発表されました。

交通騒音はストレスフル

実験は「森林」「草地」「道路を模した人工的な裸地」を設置し、76匹のニホンアマガエルを用いて、各実験区でスピーカーから交通騒音を流した場合と、流さなかった場合の一晩あたりの移動距離を比較。
その結果は「森林」と「草地」では交通騒音の有無による差はありませんでした。しかし「道路をもした人工的な裸地」では一晩あたりの移動距離(ニホンアマガエルの場合は数メートル程度)が、交通騒音のあるときには30%程度短くなったのです。これは交通騒音が、道路上での両生類の轢死を助長している可能性を示しています。
今後は実際の道路で追加検証する必要があるとのことです。
(参考文献=北海道大学Press Release2018/12/26
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