久留里のカエル寺 真勝寺 @千葉県君津市(2025年7月号)
■久留里藩ゆかりのお寺
千葉県君津市久留里に、カエルのお寺があると聞いて出掛けたのが、昨年の8月のことでした。これまでカエルのお寺はあちこち行っています。カエルは掛詞で縁起物となるため。お寺と相性がいいのです。
お寺の名前は真勝寺。曹洞宗です。門前には巨大なカエルが鎮座しています。その胸には「無事に本家郷に帰る」とかいてありました。

■カエルに託す願い
「かえる」という言葉に掛けて、「無事帰る」はよく見かけますが、「本家郷」が付くのは見たことがなかったので、なんだろうとおもっていたところ、「カエルの吉祥」という案内板がありました。
北関東では、戦時中に出征する人に持たせるお守りが「カエル」だったと言います。当時、出征する際には隣近所が集まり「ばんざい」や「おめでとうございます」の言葉があふれ、家族でさえ「お国のために」を建前に戦死することさえ厭わないという態度を取らざるを得なかったことは、さまざまなドラマや映画などで目にされた方も多いでしょう。そのような風潮の中でも、「無事に帰ってきて」の願いを託すお守りを、こっそり持たせたのでしょう。門前のカエルも、家族や暮らす故郷へ無事に帰ることを祈願して「本家郷」が付いているのだと思いました。
■境内のカエルたち
境内には、あちこちにカエルが置いてあります。子ガエル5匹を背中に乗せて、親ガエルと合わせての「むかえる」もありました。似たようなフォルムのカエルもあちこちにあります。右足前に子ガエルを従えた大きなカエルは、お腹に「百歳記念」と書いてありました。個人が寄進されたようです。
そして本堂には安定のカエルギロ。お寺の掲示板にもカエルたちがいました。
