クラス便り4月号

カエルって卵を産みっぱなしで育児をしないように思われておりますが、はたしてそうなのでしょうか???
カエルの育児
今月は南米のカエルさんを招いて、それぞれの育児方法についてインタビューしてみました。
レア:「まずは南米北部在住の水棲カエル、「ピパ」さんからお願いします」

ピパ:「私たちは、卵を背中に背負うんです。ここならいつでも母子が一緒で安心でしょ?そして卵から孵化したかわいいオタマたちは、そのままそこで成長するんです。子供たちには血管を通じて酸素と栄養を与えます。そして子カエルになってから出て来るんですよ」

レア:「それはとっても珍しいですよね」

ピパ:「そうでもないんです。南米では他にもアマガエル類で、卵黄をたくさん含んだ卵を産み、それを背中に背負って子ガエルになるまで育てられている方もいらしゃるんです。卵黄が子供たちの栄養になるんですね。それにそういう方達は、一度に10数個しか卵を産まないんですよ」

レア:「なるほど、親が守っている分、大人になる確率が高いからですね。どうもありがとうございました」

レア:「続いて南米熱帯雨林からお越しの「イチゴヤドクカエル」さん、お願いいたします」

イチゴ:「よろしく。私たちは落ち葉の下に卵を産み落とします。その卵は最初は夫が、そして10日ほどしてから私が交替しておもりをするんです。で、卵が孵化いたしますでしょ。すると子供たちは私の背中に這い登るんですのよ。全員背中におぶったら、今度はステキな育児場所を求めて移動するんですの。その場所は、アナナス類の葉の間に溜まった水たまりです。え、アナナスって何かですって?そうですねぇ・・・パイナップルの葉っぱを想像されるといいですわ。同じアナナス類ですから。
 子供たちは連れて行かれた水たまりが気に入らないと、私の背中から降りませんの。そうなると他の場所を探さねばなりませんのよ、ほほほほ。それに一つの水たまりには1匹しか放しませんの。個室を与える訳ですわ。ですのでわたくし、どこに我が子の個室があるのか、覚えておかなくてはいけませんの。
 え、それは何故かですって?決まってるではありませんか。それは子供たちに食事を与えに通うからですわ。だいたい2〜3日おきに通って、わたくしの産みました未受精卵をあたえるんですの。これを子供たちが立派なカエルになるまでつづけるんですから、もうたいへ〜ん。おほほほほ」

レア:「はぁ〜、そうですか。卵を守るのにご主人も参加なさっているというお話がなかなか興味深かったです。ありがとうございました」

レア:「今度は中南米に45種類もお仲間がいらっしゃる、「フクロアマガエル」さんにお話を伺いたいと思います」

フクロ:「私たちフクロアマガエル属は、背中に育児のための袋がついているんです。卵を産むと夫が育児袋に卵を押し込んでくれます。その中は血管に富んでおり、子供たちが孵化しても楽に呼吸ができるわけです。私は子供たちが十分大きくなりましたら水たまりに放しますが、中には子カエルになるまで育児袋で育てる方もいるんです」

レア:「背中に背負うだけでなく、さらに袋に入れておけば安心ですものね。貴重なお話をありがとうございました」

レア:「今回は南米在住の方々にお話を伺いましたが、世界にはまだまだ珍しい子育てをされている方がいらっしゃします。またその方々には次の機会にお話を伺おうと思っております。どうぞお楽しみに」