今月末はハロウィンですね。3年前に当校でパーティーを開いたことがありましたが、今回は校長先生が何か蘊蓄を語ってくれるみたいですよ。一体どんなことでしょう? |
校長:「エクスペリアームズ!武器よ去れ!」
教頭:「いきなり何なんですか、校長。何をおっしゃっておいでで?」 校長:「ふふふふ、呪文じゃよ。今日からワシのことをアルバス・ダンブルドアと呼んでくれたまえ」 教頭:「ああ・・・!!『ハリーポッター』をお読みになったのですね。それで影響を受けたというわけですか。そう言えば今、当校でもかなり流行っておりますね。ところで今月号はそこからどのように話題が発展するのですか?」 校長:「よくぞ聞いて下さった!!今月は魔法使いとカエルの関係についてじゃ!!」 |
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子供向きソフト(英・仏・独・日・伊の五カ国で販売されているもの)でも、魔女の項目でカエルが出てきてました。 |
教頭:「魔法使いとカエル?すぐに思い出すのは『グリム童話』の「カエルの王様」くらいですが・・・王子が魔女の呪いでカエルにされていたんですよね」
校長:「そうそう。しかしあれは呪いで姿を変えたというだけのことで、魔法使いとカエルの関係を語るには不適切だね」 教頭:「では一体どのような関係なのでございますか?」 校長:「うん。カエル、特にヒキガエルさんなのだが、彼らの異形(失礼な言いようだがね)とその毒が、ヨーロッパでは魔法的な存在と思われていたのだ。ヒキガエルさんは、毒薬や媚薬の材料として使われていると考えられておったのじゃ。『ハリーポッター』でも薬草学の授業でカエルの脳味噌が使われておったな。またヨーロッパ各地では、毒キノコや名前のわからない物を「がまのこしかけ」と呼び慣わすそうじゃ」 教頭:「そう言えば日本でも陰陽道の「蠱毒(こどく)」という術でヒキガエルを用いたり、中国では「ヒキガエル・ヘビ・ムカデ・サソリ・トカゲ」を「五毒」と呼んで、毒気のあるものとしていたそうです」 |
校長:「あと魔法使いの「使い魔」としてカエルが使われることもあったな」
教頭:「使い魔とは?」 校長:「簡単に言えば魔法使いのペットで、魔法使いの手先として使われる存在じゃ。中世ヨーロッパでは犬やネコがオーソドックスで、魔法使いが自分の血でもって育てていたと言われておる」 教頭:「へー。魔法使いのペットは黒猫ばかりかと思ってました」 校長:「児童文学のぞくぞく村シリーズ『魔女のオバタンの使い魔』(末吉暁子作・あかね書房刊)では、コウモリ・ネコ・トカゲとヒキガエルが使い魔として登場しておる。『ハリーポッター』ではホグワーツ魔法魔術学校の入学案内に、「ふくろう、または猫、またはヒキガエルを持ってきてもよい」とあるな。ただしヒキガエルは流行遅れだそうだ」 |
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教頭:「なるほど、魔法使いとカエル(ヒキガエル)は、薬の材料や使い魔として関係していたということですね」
校長:「その通り!また『ハリーポッター』の中では「カエルチョコレート(魔法使いカード付き)」や「カエルペパーミント(食べると胃の中で本物の如く跳びはねる)」というお菓子としても出てきておる」 教頭:「ほう、『ハリーポッター』ではそんなに色々とカエルのことがでてくるのですか」 校長:「さよう。これだけ出てくるということは、それだけカエルと魔法使いが密接な関係があるってことじゃな」 |