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校長:「カエルと言えば、睡蓮の葉っぱだな」
教頭:「そうですね。いろんな置物でも睡蓮の葉っぱに座るカエルというモチーフが多用されてますから」 校長:「しかし何で睡蓮なの?」 教頭:「まあ、池に住むカエルさんの格好の休み場だからでしょう。陸に上がるとヘビなどの捕食者に見つかった場合、逃げるのが大変ですから」 校長:「なるほど、池に浮かぶ睡蓮なら、危ないって思ったときドボンと池に飛び込めばいいのか」 |
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教頭:「時に、校長先生はカエルと関連のある植物の名前を御存知で?」
校長:「え、そんなのがあるの?」 教頭:「はい。先に出ていた睡蓮とよく似ておりますが、「蛙の円座」と呼ばれるトチカガミという植物がそれです。円座というのは、菅などで渦巻き状に編まれた座布団大の敷物のことです」 校長:「ハート型の葉というのが実にラブリー!アマガエルさんを乗せてみたい」 教頭:「葉の大きさは4〜7pだそうです」 |
教頭:「こちらは先程のトチカガミとよく似ておりますが、アサザという植物で「蛙の座布団」と言われております。葉の大きさは5〜10pほどです」
校長:「うんうん、トノサマガエルが乗ると座布団という感じがピッタリくるな」 教頭:「しかし先程のトチカガミ少し大きいのに、座布団とは面白いですね」 |
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教頭:「で、これが「蛙の面掻き」と言われるイシミカワです。道ばたでよく見かける植物です。茎には下向きに棘が生えていて、その棘をつかって別の植物に絡まる性質を持っているのです。この下向きの棘で、カエルが顔を掻くのだと想像されたことから、こう呼ばれたのでしょう。しかしここで言うカエルとはヒキガエルさんかもしれません。彼らはよく道ばたで出没したでしょうし、見るからに皮が厚そうですものね」
校長:「ほほぉ、ちょっと顔を掻くには痛そうだな。しかし背中を掻いたら気持ちよさそう。我々は前脚が短いからね」 |
教頭:「あと、某有名クイズ番組でも取り上げられてましたが、秋になると色づく楓は、元々「カエルデ(蝦手)」が語源だそうです」
校長:「なるほど、楓の葉は我々の手にそっくりだね」 教頭:「そうです、『万葉集』でも「蝦手」と書かれている例があります。秋の相聞歌の一つですが、 「大伴田村大嬢の妹坂上大嬢に与へし歌二首」より1623番
訳 我が家の庭に色づく楓を見るたびに、あなたを心に掛けて恋しく思わない日はありません。(補足 美しく紅葉した楓の色に妹の紅顔を偲んだ歌)
ここで詠まれているのが「かへるで」、つまり楓ですね」 |
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校長:「ふーむ、水辺の植物は我々とすぐ結びつけることができるだろうけど、道ばたの植物や楓の様な木の葉を見て、我々カエルを思い出してもらえたなんて光栄だなぁ」
教頭:「そうですね、楓は特に面白いと思いました」 校長・教頭:「と、まとまったところで又来月!」 |