教頭:「だんだん日差しが暖かくなってきましたねぇ」
校長:「そうだなぁ。冬眠中のカエルさんたちも、早ければ今月末には起き出してくるかな?」 教頭:「そういや、沖縄のカエルさんって冬眠しないのでしょうか?」 校長:「たぶんしないだろうね。新聞で読んだけど、昨年の12月には、すでにリュウキュウアカガエルさん達が産卵を始めたそうだよ」 教頭:「ほほう。アカガエルさん達は皆さん産卵が早いですよね。九州では1月末くらいから産卵が始まるとか?」 |
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ニホンアカガエル |
校長:「うん、その年の気候にもよるようで、ニホンアカガエルさん達は早ければ1月初旬から、たいていは1月末から2月初旬にかけて、九州や太平洋側で産卵が始まるそうだ。2月末になると、日本海側や東北でも始まるようだね。もっと北へ行くと4月頃に産卵をするそうだ」
教頭:「しかしまだ寒い時期なのに…あまりにも早くないですか?」 校長:「そこなんだよ。実はね、ニホンアカガエルさん達は産卵を終えると、そのまま春眠に入るのだよ。春眠はヤマアカガエルさんやヒキガエルさんの仲間でも見られる行動なんだよ」 教頭:「えっ、ってことはいわゆる二度寝ですか?」 校長:「うんうん、二度寝は気持ちいいよねぇ〜ってことはさておき、まだ気温は低いからもう一度寝て過ごさねばならないわけだ」 |
教頭:「それじゃあ、暖かくなってから繁殖行動をすればいいのでは?わざわざ薄氷が張っているような時期に起きてきて、もう一回寝直すというのはどうかと思いますがね」
校長:「そこはやはり理由があるから、寒い時期に起きてくるのだよ。実は詳しくは解明されていないのだが、まだ寒い時期に産卵するのは、天敵が少ないと言うことと、他の何らか理由でニホンアカガエルさん達に有利だからだとされているね」 教頭:「なるほど…確かに暖かくなると水棲昆虫やヘビ、鳥たちの活動が活発になりますもんね」 |
卵塊 |
ニホンアカガエルのオタマジャクシ (蛙ガチャガチャの景品) |
校長:「寒い時期に産卵するから、卵塊が凍って死滅することもあるんだ」
教頭:「うーむ」 校長:「それに、水温が低いためにオタマジャクシの成長もゆっくりで、変態するのは5月から6月にかけてとなる。でも卵やオタマジャクシは黒色色素に富んでいて、太陽熱を吸収しやすいから寒さにはかなり強いのだよ」 教頭:「なんだかすごく過酷ですねぇ」 校長:「だけど、それを考えても寒い時期に産卵することの方が有利なんだろうね」 教頭:「カエルも種類ごとにそれぞれ事情があるんですね」 |