クラス便り4月号


人間様とカエルは共生できるのか?(其の1)

校長:「ふむふむ、世界水フォーラムか…」

教頭:「ええ、人間様にとって水は大切なものですからね」

校長:「うん、生きとし生けるものすべては水がないと生きていけないからな」

教頭:「しかし…人間様は水をきれいにとか、大事にしようということには意識が行きますが、我々カエルたちにとって水辺の環境を整えることこそが、生活の質の向上、そして種族の維持に繋がるのですがね。当校近くの環境をみても、あまりよい環境とは言い難いです」

校長:「うん、水路はコンクリートで固められていて、あれではオタマジャクシがカエルになっても、壁を登ることが出来なければ、その後の運命は…。まあ幸いここいらは、なんとか田んぼへ登れそうな水口が所々あるのでマシだがな」

教頭:「まったくです」


 

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環境創造型事業? 校長:「しかしね、人間様も捨てた物じゃないんだよ。最近では、農林水産省が「環境創造型事業」というのをすすめておるんだ」

教頭:「環境創造型事業?一体それはなんですか?」

校長:「まあ簡単に言えば、堰や水路の改善だな。ここんとこ人間様の間で、環境への意識が高まってきたから、人間様の効率も考えつつ、我々カエルや水棲生物達との共存を図ろうという事業プランのことだ」

教頭:「堰や水路の整備…具体的にはどんなことをされているのでしょう?」

校長:「つまりね、今までは人間様最優先の整備がなされていたわけだ。例えば水路をコンクリートで固めると、水は効率的に流れるし、草取りをしなくてもいいわけよ」

教頭:「あぁ、確かに。水路の草取りは農家の負担ですからね。だけど先ほど校長がおっしゃったように、水路がコンクリートだと、我々やその他の水棲生物には住みにくいですよ。なんといっても水流が早すぎます」

校長:「そこを人間様が気付いてくれたんだな。それで人間様の効率も考え、かつ自然と共生していく環境を「創造」していこうというわけだ」

教頭:「「創造」ってことは、これから人間様が作ってくださるんですよね?」



人間様の都合最優先型水路

共生型水路
校長:「そう。たとえば、左の図のような水路はどうだろう?」

教頭:「ははぁ、これならば適度な水流となり、オタマジャクシの生育に適しているし、簡単に上陸することもできますね」

校長:「うん、左側は階段状になっているために、人間様が水路の管理をしやすいね。子供たちに水遊びの場も提供できるな」

教頭:「いやぁ、これはすばらしい。すると、人間様はこのような水路を各地に作っていこうとしているのですか?」

校長:「それがねぇ…すべての水路をこのようにするわけにはいかないのだよ。やはり人間様の都合があるわけだ」

教頭:「えっ…ではどうなるのですか?」

校長:「そのことについては長くなるので、次号で詳しく話そう」

教頭:「…ネタの出し惜しみですか?」

校長:「カエル聞きの悪いことをいうんじゃない!ってことで、皆さん次号もお楽しみに」

また来月!