クラス便り10月号

ついに謎のカエルオヤジの正体判明!?
校長:「諸君、「クラス便り5月号(2004年)」および、「クラス便り9月号(2004年)」に出てきたカエルオヤジを覚えているだろうか?」

教頭:「あぁ、あの頭や肩にカエルを乗せた、あのオヤジ像のことですよね?」

校長:「そう、あのオヤジ像のことだ。これまであのオヤジはいったい何者かと調べてきたのだが、ついにその正体が判明したのだ!」

教頭:「おぉ、いったいあの方はどなたです?」

校長:「ふふふ、そう焦りなさんな。まずは検証からしていこう」

教頭:「検証、ですか」

校長:「うん。まずはあの二つの像を見比べることから始めよう」

教頭:「この左の画像は大分県の別府温泉、坊主地獄にいたオヤジさんですね」

校長:「そう。この方の頭は有髪であること。それに頭に1匹、膝に1匹のカエルを乗せている」

教頭:「なるほど」

校長:「そして右側画像が群馬県は宝川温泉のそれだ。こちらは禿頭で、肩にカエルを乗せている」

教頭:「うーん、検証と言っても見たまんまですね」

校長:「ところがどっこい、この宝川温泉のオヤジさんが、肩に乗せているカエルをよぉーく見て欲しい」

教頭:「よぉーくですか。カメラさん、ズームをお願いします」

(ズームしてみる?)

教頭:「むむむ?このカエルさん、片手がないですよ?」

校長:「そう、そこなんだ!それが重要な手がかりになるんだよ」

教頭:「どういうことです?」

校長:「実は古代中国で、蝦蟇仙人なる人物が考え出されたんだ。この蝦蟇仙人とは、実在した三国時代の呉の葛玄(かつげん。『三国志演義』好きにはお馴染みの、左慈(さじ)に師事したといわれる)、および五代後梁の劉海蟾(りゅうかいせん)を脚色したものといわれている。
『桂林漫録』(江戸時代の医者、桂川中良の著した随筆。1803年刊)によれば、海蟾は山中にて仙術を得、蓬髪洗足姿で三脚の蝦蟇を遣ったという。二人とも道教の道士だそうだ。どちらかといえば、劉海蟾の方が蝦蟇仙人として有名だな」

教頭:「蓬髪って、ざんばら髪ってことですよね。それに三脚の蝦蟇…。なるほど、別府オヤジは有髪で三脚かどうかはわからないけどカエルを連れていたし、宝川オヤジは三脚の蝦蟇を乗せています。ってことは、彼らが蝦蟇仙人であるということですね」

校長:「うん、そういうことになるね」

校長:「実際、蝦蟇仙人をモデルにした美術品がたくさんあるんだ。ぜひ、「劉海蟾」または「蝦蟇仙人」のキーワードで検索してもらいたい。Googleオプションの「イメージ」を使って検索してみるのも手ですぞ。とりあえず以下の公的機関で、作品を載せたページがあったので紹介しておこう。

「京都国立博物館」

検索した中には、鹿角で作った工芸品で、頭に蝦蟇を乗せているのもあったぞ。こりゃ個人蔵のものだったので、検索して見てくれるとありがたいな」

教頭:「ほほう、頭に乗せているなら別府オヤジと同じですね」

校長:「ところで、三脚蝦蟇の好物って知ってるかい?」

教頭:「はて、なんでしょう?」

校長:「小銭だそうだ。だから三脚蝦蟇の置き物などを飾ると金運が訪れるそうだよ」

教頭:「それはぜひ試してみたいですね」

校長教頭:「ってことでまた次号!」

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