クラス便り5月号

.5月5日は…?
校長:「5月5日って何の日でしょう?」

教頭:「こどもの日…ですよね」

校長:「うん、一般的にはこどもの日なんだけど、節句でいうと端午の節句という日なんだ」

教頭:「あぁ、聞いたことがあります」

校長:「古来、中国では奇数月の3月3日【上巳(じょうし)】、5月5日【端午(たんご)、7月7日【七夕】、9月9日【重陽(ちょうよう)】というように、月の数と日の数とを重ねた重日をたいせつな節供としてきたんだ。ただし奇数月でも1月1日は特別な日として、1月だけは7日【人日(じんじつ)】があてられている。これらを五節供といって、中国だけでなく朝鮮・日本でもこの日は特別とされているんだ。
何が特別かといっても、これらの日って実はよくないんだよ」

教頭:「え、よくない?だって3月3日はひな祭りだし、7月7日は七夕でしょ?よくないってことは、ないと思うけれど…」

校長:「陰陽思想って名前は知っているよね?じつはこの陰陽の考え方でいくと、奇数は陽にあたるんだ。そして陽と陽が重なると陰になるから、それを避けるための避邪〔ひじゃ〕の行事が行われたんだ。だから君の言う行事は、元々は邪気を祓うという目的から始まったんだな。
特に5月5日は陽が重なるだけでなく、5+5=10(満数)というこれまた特別な意味を持つ数字になる。そこでこの日は陰陽のバランスが一年で一番とりにくく、最も邪悪な日とされているんだ」

教頭:「なるほど…。でもこれらがカエルとなんの関係があるんです?」

校長:「そこだよ。ここが今月のポイント。実は中国では5月5日に五毒(ヒキガエル・ムカデ・ヘビ・サソリ・トカゲ)の図と、天師(道教の宗派の一つ、五斗米道の始祖)または鍾馗の像を描いたまじない札を、門に貼って魔除けとしたんだ」

教頭:「魔除けなのに毒?」

校長:「だから「五毒図」には針をさして、五毒がなくなることを願うんだな。五毒は人間に害をおよぼすものだから、そのため香りのきついヨモギやショウブで追いはらうほか、玄関先にトウガラシやニンニクをかけたりもするんだ。またほかにも、これらの5つの害虫が、お互い牽制しあって、身動きできなくなるという考え方や、虎が五毒を払うという思想もあるんだ」


五毒図(GARA画。剪紙を元にして描いたもの)
教頭:「わたしら、人間様に害を及ぼしますか?」

校長:「そこがなんとも…ね。そういえば、ヒキガエルのかわりに蜘蛛をいれるパターンもあるそうです」

校長・教頭:「ヒキガエル、決して恐くないですよ!」

■HOMEへもどる

■月別一覧ページにもどる

■授業へもどる