カエル娘画
麻布のガマさんは、すごい奴
(1)この夏、東京都にある麻布十番稲荷神社へ行ってきました。ここには「上(じょう)の字様」と呼ばれる、ガマさんが祀られているのです。

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(2)このガマさん、五千石の旗本、山崎主税助のお屋敷にある大きな池に住んでいました。諸説ありますが、ガマさんは時々座敷の菓子を食べに来たりしたそうです(別の話では、屋敷に仕えていた中間(ちゅうげん)を殺したので、主税助が池をさらえると命令したところ、夢の中に仙人があらわれ「あの中間はカエルの子を殺すので、仕方なく仇を討ったのだ。だから池をさらうのはやめて欲しい。かわりに火難があれば助けることを約束する」と懇願したので、翌日池をさらうことを中止したとあります。この他にも説あり)
 

(現在はこういうお守りが授与されています)

(3)文政4年(1821年)の火事の際、山崎主税助の屋敷周辺にも類焼してきたのですが、くだんのガマが現れて、池の水を吹きかけて類焼をくい止めました。付近の家屋敷はすべて焼けてしまったのに、山崎家だけ燃え残ったという話が伝わり、山崎家ではガマさんの住んでいる池の水をくみ上げて、その水で墨をすって「上」の字を書いた火難除けのお札を売り出したところ、大ヒット。「上の字様」と呼ばれ、全国から注文がきたとの話です。

(4)その後、時代が変わり、山崎家のあった場所は持ち主がかわり、明治時代には池は「蟇池」と呼ばれるようになりました。そして昭和になると「上の字様」のお札は、麻布十番稲荷神社で授与されるようになりました。また昭和57年には、神社にガマさんの石像が奉納されました。このガマさんは、「十番稲荷神社」と書かれた石塔の裏側に鎮座しています。私が行った時には、あいにくと足場が組んであって、写真が撮りにくかったです。

(5)この蟇池は、その後近隣が分譲地として開発されるに伴い、埋め立てられどんどん縮小しています。当校にも、2001年4月27日付けの新聞に、埋め立て反対の記事が掲載されていたとの情報が寄せられました。その後、この蟇池どうなっているのか、ご存じの方がいればお教えください。
(6)また、麻布商店街の一角には、「はしごの上で微笑んで」というタイトルのモニュメントがあります。はしごの上で微笑んでいるのはカエルくん。オランダの芸術家の作品です。

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