カエルのおなかはなぜ大きいか? (1999年1月号掲載)
これは京都の丹後地方に伝わるお話です。ある日ウサギとカエル(ひきがえる)が、一緒にお餅をつくことになりました。最初は仲良くやってましたが、ウサギはどうしてもこのお餅を独り占めしたくなったのです。それで、カエルに「ねえ、このうすを向こうの山の上から転がして、最初にうすの所までたどり着いたものがお餅を独り占め出来ることにしよう。」と提案したのです。ウサギは自慢の足で、一番にうすの所までたどり着く自信がありました。カエルは渋ったものの、熱心にウサギが頼むので承知しました。
「じゃあ転がすよ。1・2の3」。うすが転がると同時にウサギは飛び出しました。そして一目散にかけていって、うすの所に一番にたどり着いたのです。さあお餅を食べようとうすの中をのぞき込んだところ、あれあれ?お餅がありません。なんと転がる途中で、お餅がうすから落ちてしまったのです。
そのころのそのそ這っていたカエルは、お餅が落ちていることに気付き一人で全部食べてしまいました。それ以来、カエルのおなかは大きいのだそうです。
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