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生物多様性条約第10回締約国会議支援実行委員会

環境省自然環境局 生物多様性センター

 

 
(1)生物多様性は人類の生存を支え、人類に様々な恵みをもたらします。生物に国境はなく、国が単独で生物多様性を保存しても十分ではありません。だから世界全体でこの問題に取り組むことが重要だとして、1992年5月に「生物多様性条約」がつくられました。2010年現在、193カ国・地域が加盟しています。

 その条約の3つの目的([1]生物の多様性の保全、[2]生物多様性の構成要素の持続可能な利用、[3]遺伝資源の利用から生ずる利益の公正で衡平な配分)と、「生物多様性の損失速度を2010年までに顕著に減少させる」という目標を達成するために、世界規模で生物多様性の認識を高めようと、国連は2010年を「国際生物多様性年」と定めました。

(2)そして10月11日から29日にかけて、この条約に加盟している国・地域が名古屋に集まり、第10回締約国会議(国連いきもの会議)が開催され、「名古屋議定書」(医薬品のもとになる動植物など遺伝資源の利用について定めた国際ルール)と、「愛知ターゲット」(生態系保全の世界目標)が採択されました。

 メディアでは条約目的の[3]の部分で、会議の中で先進国と途上国との対立があり、それを議長国である日本がどうまとめるかに注目が集まっていました。しかし当校が注目するのは、[1]の「生物多様性の保全」についてです。

(3)地球の歴史をかえりみると、これまでに5回の生物大絶滅がありました。5億年前には寒冷化による海洋生物への打撃。4億年前には酸素濃度の低下や寒冷化の進行により、多くの魚類・両生類が絶滅。2〜3億年前には大陸移動による気候変動で、3回目・4回目の大絶滅がおこり、1億年前には何らかの原因(隕石落下説など)による気候変動がおこり、恐竜が絶滅しています。

 そして現在、6番目の生物絶滅の危機を迎えようとしてます。これまでの原因は、自然現象における地球環境の変化でしたが、現在の危機を作ったのは、言うまでもなく私たち人類です。

(4)この状態を懸念して、今回の会議では2020年までの世界目標として、魚の乱獲を避ける、侵略的外来種を根絶など20項目を掲げた、「愛知ターゲット」が採択されました。これは国際的な目標であり、実際にその目標にむかって努力するのは国はもちろんのこと、私たち一人ひとりにもかかってきます。
(5)では一体私たちに何ができるのでしょう。
 まずは、ほかの生物への関心をもつことから、始めてみませんか。自治体や団体では、「身近な生き物調査」を行っています。これは自分がみつけた生き物を報告することにより、現在の生物多様性を把握することが目的です。また本来その生物が存在する季節ではないのに見つけたり、外来種が見つかったりすることもあります。ネット上で投稿できるので、手軽に参加できますよ。

 「生物多様性」とは、人類を含めたすべての生き物が、共に生きていけるようにすること。ともに、努力していきたいですね。

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