「身代わり蛙@木之元地蔵院」
(1)滋賀県長浜市の北部に、木之本町があります。元は独立した自治体でしたが、市町村合併により、2010年長浜市に編入されました。
奥びわ湖と呼ばれるこの地域は見所も多く、戦国の世を人々の手で守られてきた十一面観音や、戦国武将を忍ぶゆかりの地(柴田勝家VS羽柴秀吉の賤ヶ岳、浅井長政ら浅井家の居城であった小谷城跡など)、寺社仏閣、遺跡、自然などなど満喫できます。
その木之本町、北国街道沿いに位置し、全国から信心を集める時宗の寺院があります。本来の名を長祈山(ちょうきさん)浄信寺(じょうしんじ)と言いますが、人々の間では「木之本地蔵院」という名で知られています。
(2)その名が示すとおり、こちらのご本尊は地蔵菩薩。ただし秘仏につき、お参りしやすいよう境内には、そのお姿を模した高さ約6メートルの地蔵菩薩大銅像があり、これは日本三大地蔵の一つとされています。眼の地蔵菩薩として、全国からお参りする人々が訪れています。

この地蔵菩薩の下で、境内に棲むカエルが「すべての人々の大切な眼が、お地蔵様のご加護をいただけますように」「すべての人々が健康な生活を営めるように」との願をかけ、自ら片目をつむって暮らすようになったと言われています。

そのご加護を頂くべく、お参りに来た人々は「身代わり蛙」を奉納します。
(3)陶器製の手のひらサイズの蛙で、画像でも確認できるように片目をつむっています。この蛙の白いおなかに、お名前とかぞえ年を書いて、願いを込めて境内に奉納をするのです。
地蔵菩薩大銅像の周辺には、おびただしい数の身代わり蛙が奉納されていました。

地蔵菩薩の台座付近では隙間あらば割り込む、上に上にと重ねていってカオスな状態にありました。
大銅像へ至る階段周りでは、奉納したのが几帳面な人々だったのか、きれいに整列してみんな同じ方向を見ていて、これはこれで壮観な眺め。地蔵菩薩大銅像をぐるりと回る回廊沿いにも、灯籠の足下はもちろん、灯籠に火をともす電機設備の上にも、ともかくおける場所さえあればどこでもという状態でした。
(4)また破損したり、願が成就したと見なされた身代わり蛙が、周辺に散乱する様は不気味ですらありました。
(5)境内にはほかにもカエル型の手水や、身代わり蛙絵馬、お守りなどもありました。
関連リンク
木之本地蔵院
木之本地蔵院wiki
奥びわ湖観光