中山道の蛙 其の一「日吉神社の狛蛙」
(1)岐阜県各務原市那加新加納町はその昔、新加納宿として中山道の鵜沼宿と加納宿の間(あい)の宿として栄えていました。その一角に、日吉神社が鎮座しています(地図)。祭神は大山咋神(おおやまくいのかみ)で、平安時代に滋賀県の日吉大社から勧請されたと言われています。
 その本殿を守るのは、狛犬ならぬ狛蛙!(下の画像で赤く囲ったところ)
なぜ蛙なのかは、この地域に伝わる伝承があるのです。
(2)むかし、日吉神社のひょうたん池に大きなカエルが住み着き、村人に悪さをし始めました。ところが村人は「きっとカエルは腹を空かせて悪さをするのだろう」と、池にごちそうを投げ入れました。するとカエルは悪さをするのをやめて、病人に薬草を届けたり、日照りの時には雨を降らせたりするようになり、福蛙として親しまれたとのこと。狛蛙はこのカエルを称えて、奉納されたそうです。そのためこの地域では「蛙を捕ってはいけない」と、定書に書かれるようになったそうです。
 また この伝承を元に、明治時代には「蛙祭(かわずまつり)」が始まり、昭和に入ってからは「げえろ祭」と名称を改め、毎年4月の第一日曜日に祭礼が行われています。

本殿向かって左側の狛蛙

左側の狛蛙は、子ガエルを背負っています

本殿向かって右側の狛蛙

こちらは背中には何も背負っていません

手水舎にも小さなカエルがいました

目玉に深緑色のビー玉が入っています

(3)ひょうたん池は昭和47年に埋められてしまいましたが、ひょうたん池を模した空池があります。(上の地図では境内の右下)
空池にはカエルの像がたくさんありました。


(4)今回レポートはありませんが、日吉神社の最寄り駅になる新加納駅前には、日吉神社のカエルの伝説の案内板と、カエルの石像を配置した「けろっと広場」があるそうです。詳しくは関連リンクから、「カエル伝説で町おこし」をごらん下さい。 関連リンク
新加納宿(wiki)
カエル伝説で町おこし(PDFファイルを開くorダウンロード)