かえるの学校

茨城県龍ヶ崎市の撞舞(2020年7月号)

茨城県龍ヶ崎市の撞舞(つくまい)

Eテレで平日午前7時~7時15分に放送されている「シャキーン」がけっこう好きで、毎日見ています。子どもたちに柔軟な発想力や、新しい発見などを促し、心と身体を目覚めさせるというコンセプトの番組ですが、これが大人も楽しめる演出が多く、脳トレに最適なのです。個人的には「かんじないシンガー・トバシカンジ」が好きでした(たまに再放送してくれますが、終了したコーナーです)。ゲストも多彩で、かの千葉の英雄であり実業家のジャガーさんが出演なさったときは、ひっくり返りそうになりました。シャキーンミュージックも、いい楽曲がたくさんあって、CDも出ています。
さて、その「シャキーン」の一コーナーで、馬喰町バンドさんが歌う「まつりばなし」という曲があります。全国の民話を歌に乗せて、アニメーションで紹介するもので、いくつかあるのですが、そのうちの一つで茨城県龍ヶ崎市の撞舞(つくまい)が紹介されていました。

撞舞にまつわる伝説

撞舞は厄除けや雨乞い・五穀豊穣の儀式であり、どんなものかはざっくり言葉で説明すると、二人の舞男が笛や太鼓のお囃子にあわせて高さ14mの撞柱にのぼり、その上で東西南北に矢を放ち、逆立ちや綱を滑り降りたりなどのパフォーマンスを繰り広げる、アクロバティックなものです。龍ケ崎市役所の公式サイトの動画をご覧いただくと、よくわかると思います。
さて、ではなぜかえるの学校でこの撞舞をとりあげるかというと、実はその二人の舞男がかぶる面が、雨蛙なのです。舞男は蛙の面のほかに、衣装も緑色の唐草文を着込むので、撞柱を上る様子は、蛙が龍の背中を這い上がる姿を表したと言うのも頷けます。
なぜ雨蛙なのかというと、龍ケ崎市には「雨蛙のフク伝説」があります。そのお話は、昔、大雨が降り続き洪水が起こったとき、村人たちが村に住む巨大な雨蛙フクに「助けてほしい」と頼んだところ、フクは溢れた水を飲み込み洪水から村を救いました。さらに村が干ばつに見舞われたときには、飲んだ水をはき出して雨を降らせたというものです。「シャキーン」では、大きな蛙が龍を飲み、また口から龍をはき出すことで、それを表現していました。
*画像はイメージです
撞舞の起源は定かではないそうですが、雨乞いの儀式であることから、フクの伝説と関係があるのではないかと言われています。
もっと詳しく知りたい方は、龍ケ崎市歴史民俗資料館のサイトで、撞舞のページをご覧ください。
*今年(2020年)の撞舞は、コロナウイルスの感染拡大防止のため中止です。
page top▲

■HOMEへ戻る  ■月別一覧ページにもどる   ■授業へもどる