かましきさんの勝念寺(1) @ 京都市伏見区(2024年2月号)
■歴史を感じる街、伏見
京都市伏見区は、交通の要衝として古くから発展してきた地域です。平安期には貴族の別荘地、近世では伏見城の城下町として、桃山文化を花開かせました。その伏見、現在もJR・京阪・近鉄・京都市営地下鉄にさまざまなバス路線と交通の便利な地域であり、地名(特に桃山地域)にはそこに住居を構えた大名の名が入っているなど、歴史がごく身近にある街なのです。
今月からご紹介する
勝念寺(
地図)も、織田信長公や豊臣秀吉公と縁がある寺院なのです。
■釜敷地蔵尊とカエル
勝念寺は浄土宗のお寺で、創建は天正15年(1587年)。織田信長・信忠父子の菩提を弔うため、正親町天皇の勅命を受けた貞安上人が、御池御所(信忠自刃の地)を賜り一堂を開創すると同時に、豊臣秀吉公の城下町である伏見丹波橋に安養山勝念寺を開創しました。
この貞安上人は織田信長公の信頼厚く、安土で賜った仏像が「釜敷地蔵尊」。「かましきさん」と呼ばれ、尊崇を集めています。釜敷地蔵尊とは、地獄で釜茹での責めに苦しむ亡者に代わり、自ら釜の中で責め苦を受ける身代地蔵尊です。
その釜敷地蔵尊が苦しむ亡者の「みがわり」になられる、というところから、こちらのお寺ではたくさんの「かえる」を 置いているのだそうです。山門前からすでにカエルだらけ!
あまりにもカエルだらけなので、勝念寺も何回かに分けてご紹介となります。