クラス便り5月号

「かえるの学校」の近所では、4月半ばからアマガエル達の鳴き声が聞こえてきました。その頃は初夏の陽気が続いたので、例年より早く冬眠より目覚めたようです。その後肌寒さが戻り、目覚めたカエル達の安否が気遣われましたが、時々元気な鳴き声を聞かせてくれるので安心しました。
さて、今月号はカエル達の鳴き方について、校長先生から説明がありますよ。
カエルの鳴き声
校長:「うむ、今年も元気にアマガエル達が鳴いているな」
教頭:「今年は例年に比べ早いですね」
校長:「暑いくらいの天気が続いたからなぁ。ところでカエル達はその種類によって鳴き方が違うのは知っているね?」
教頭:「ええ、それはもちろんです。我々カエル達は、進化史上で最初に声帯によって鳴き声を発した生物です。その鳴き声は種類によって違いがあり、特に繁殖期においては自分たちの種族を見極めるときに有効な役割を果たしております」
校長:「みなに一番なじみ深い鳴き声ってどの種族だろう?」
教頭:「さぁ・・・住んでる地域によっても違うかと思いますが、住宅街でも比較的よく聞かれるのはやはりアマガエルでしょう。彼らは繁殖期以外でもよく鳴いていますから」
校長:「雰囲気として、「クワックワックワックワックワッ」って聞こえる感じ」
教頭:「彼らは繁殖期にメスの気を引くために鳴く「メイティングコール」の他、夕立が降る前にも鳴きたてるので、それを「シャワーコール」と呼んでおります。アマガエルの語源は、この夕立を知らせる「シャワーコール」を発するからだそうです」
校長:「アマガエルの鳴嚢(めいのう)は、喉にあるんだね」
教頭:「ええ、鳴嚢は筋肉の袋で、肺に取り込んだ空気を吐き出すときに、ここで共鳴させて大きな鳴き声を出せるのです」
校長:「殿はどんなかんじだろう?」
教頭:「トノサマガエルですか?そうですね、彼らの鳴き声はいわゆるカエルの「ケロケロケロケロ」ですかねぇ。やはりトノサマだけに鳴き声にも品格があります」
校長:「しかも彼らは何の変哲もないときに鳴きたてるようなことはしないんだよね。普段は鷹揚にかまえて、繁殖期だけにその自慢の美声をメスに聞かせるんだ。すばらしいな」
教頭:「そう、言い忘れていましたが、カエルはオスしか鳴かないのです。オスはその鳴き声でメスを魅了し、また自分の縄張りを主張するのです」
校長:「彼らの鳴嚢は両頬にあります」

「カジカガエル」
鳴嚢は喉にあるよ
校長:「あとみんなはどんな種類の鳴き声を知っているだろう?」
教頭:「えーっと、以前紹介したのはカジカガエルでしたね。鳴き声は当校の「授業・音楽一学期」で聞けます。このこともその時に紹介済みです。あとは・・・ウシガエルかな?」
校長:「そう言えば随分前の「学級日誌」で、ウシガエル物真似について話題が出てたね」
教頭:「ウシガエルは、「グーッグーッ」という低音で鳴きます。その鳴き声が牛に似ているからというのが名前の由来でしょう」
校長:「話題が出たといえば、ヒキガエルはどうなんだい?」
教頭:「ヒキガエルの鳴き声は、カエル合戦の時にすさまじいばかりだそうです。「ゲェロゲェロ」という風に聞こえるそうです。そうそう、ヒキガエルは鳴嚢がなく、喉をふくらませるだけで鳴けるのだそうですよ」
校長:「カエルは「ケロケロ」だという思い込みが蔓延しているが、我々のすばらしさを正しく伝えないとね」
教頭:「そうですね、残念なのはその鳴き声のサンプリングが手元にないことです。これは今後の課題とさせていただきます」
参考文献
★『カエルの不思議発見』 松井孝爾著 講談社
★『ふしぎびっくり!?こども図鑑 さかな』 学研 

ということで、今回は「カエルの鳴き方」についてお二人に熱く語っていただきました。カエル種類によってそれぞれの鳴き声を持っているわけですが、今回は特に身近なカエルについて取り上げてみました。ではまた次号にて。次号は「かえるの学校創立記念号」で、恒例の「K−1」の予定です。
果たして今年も開催できるのか!?危ないかも!?(←をい)