クラス便り7月号

 今月もまた、カエルのことについてお勉強しよう!今月はアマガエルの秘密に迫るよ!
アマガエルの秘密!?
校長:「ほうほう、また青いアマガエルさんがみつかったんですね。毎年この時期になると、テレビや新聞で紹介されることが多いですね」
教頭:「このアマガエルさんは、おそらく黄色色素細胞が欠落しているか、機能不全なんでしょうな」
校長:「教頭先生、いきなり難しいことを言いますねぇ。皆さんにわかるように、ご説明いただけますか?」
教頭:「いいですとも。まずはアマガエルさんの皮膚の構造をご説明申し上げましょう。アマガエルさんの皮膚は人間で言うところの角質にあたる表皮が一番表にあります。その下に真皮があり、ここには体を湿らせるための粘液腺や毒素を作る顆粒腺があります。その表皮と真皮の間に、アマガエルさんの色を変える色素細胞があるわけです。右の図は、表皮の下にあるそれらの色素細胞の図です」
校長:「なるほど。上から表皮・黄色色素細胞・グアニン細胞・黒色色素細胞とあるんですね」
教頭:「そうです。黄色色素細胞は光のフィルターの役目を果たします。グアニン細胞には細長い反射小板があり、銀色に輝いています。また黒色色素細胞にはメラニンが含まれています」
校長:「ああ、人間の女性がシミとして恐れるメラニンですね?」
教頭:「ええ。右の図はアマガエルさんがきれいな黄緑色をしている状態を示しています。グアニン細胞が光を反射しやすいよう扁平になり、また黒色色素細胞の活動も抑えられてます」
校長:「なるほど!」
教頭:「さらに左の図は暗緑色になったアマガエルさんの場合です。こんどは光を反射するグアニン細胞が黒色色素細胞に包まれていますので、光を反射しにくくなるので、暗緑色になるわけです」
校長:「ふむふむ」
教頭:「次の右の図は、暗褐色になったときの場合です。完全にグアニン細胞が黒色色素細胞に包まれてしまってますね。これだと光を反射しないので、それで暗褐色になるわけです」
校長:「なるほど、色が変わる構造はわかりました。でも体色を変えようとするのは、どういう働きからですか?」
黄緑色暗緑色暗褐色
教頭:「私たちカエルはとっても目がいいんです。伊達に大きい訳じゃありません。その目から入った情報、例えば「今明るい葉っぱの上にいる」とか「地面にいる」という情報は脳下垂体に伝えられます。その情報に応じて、脳下垂体からホルモンが分泌され、血液を通って皮膚の色素細胞に働きかける訳です」
校長:「色を変えると言えばカメレオンが有名ですが、確か彼らは一瞬にして変わりますよね?」
教頭:「ええ、彼らは目で見た情報をすぐに神経に伝えられるので、体色がすぐかわるのです。しかしアマガエルさんの場合は、見た情報を一度脳下垂体に送るため、色を変えるのに数分かかります。あと色を変えるのには温度や湿度なども関係しています。子供向きの本には「気分」なんて書いてあるのもありました」
校長:「・・・気分ですか?じゃあ移り気なアマガエルさんだと大変ですね(笑)」

ってことで、また次号!

■HOMEへもどる

■月別一覧ページにもどる

■授業へもどる