クラス便り11月号

神様の使い
10月のある日、三重県は伊勢市へ旅行に行ってきました。伊勢神宮参拝の後、「夫婦岩」で有名な二見浦へ訪れました。ここには二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)があり、猿田彦神(さるたひこのかみ)が祭神となっております。


夫婦岩


二見興玉神社

某大御所が描くところの猿田彦神
猿田彦神とは神代の国つ神の一つで、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)が高天原から日向国(宮崎県)高千穂の峰に下った、いわゆる天孫降臨の際に道案内をつとめた神です。その後、伊勢国の五十鈴川のほとりに鎮座したと言われております。その顔は鼻がひじょうに高く、恐ろしい顔つきをしていたそうで、さらに身長も極めて高かったと言われています。後の天狗のモデルになったというのも頷けるでしょう。
さて、この猿田彦神を祀っているこの二見興玉神社では、境内の至る所に大小のカエルの彫像がおいてあるのです。それは一体なぜでしょう?

手水にもカエル

手水の中にもカエル

境内のカエル達
実はこのカエル達、猿田彦神の使いと言われているのです。しかしこのいわれははっきりとはしていないそうで、一つには夫婦岩を竜神の住処とみなし、竜神は雨を喜ぶことからカエルを奉献したという説があります。また一方では伊勢参りの人々が帰路を安全に「帰る」ことができるよう、また海で働く人々が安全に「帰る」ことができるよう、カエルを奉納したという説もあります。
しかし私見としては、猿田彦神の容貌と、カエル、なかでもヒキガエルが結びついているように思います。ヒキガエルはその奇怪な容貌から、あの世とこの世を行き来できるものとみなされ、地上をあまねくはいずり回るがゆえに、様々なことを知り尽くしていると考えられていました。また猿田彦神は天孫降臨で道案内をつとめたことからわかるように、天界と地上を行き来できる存在だと考えられます。それゆえ違う世界を行き来できるもの同士として、カエル(ヒキガエル)が神の使いとして選ばれたように思われます。
難しいことはさておき、この二見興玉神社では、カエルのお守りやカエルのおみくじがありました。300円を払ってカエルの口からおみくじを一つひくと、通常のおみくじの他に小さなお守りが一つ入っているのです。亀、大黒天等々13種類がありまして、そのうちの一つがカエルです。なんとこの13分の1の確率であるカエルを、カエル娘は1回で引き当てました。

カエルがあたりますように
かなりカエルっぽい
また沖合に浮かぶ夫婦岩のすぐ脇に、カエル岩なるものがあります。元々は烏帽子岩と呼んでいたそうですが、形がカエルに似ていることから、現在ではカエル岩と呼ぶようになったそうです。
境内でみかけた様々なカエル


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