八重桜 
吉野の里にあふれるケロケロ(詠み人知らず)

 4月下旬の某日、奈良県吉野町へ行って来ました。歴史との関係が深く(南北朝の南朝がおかれたところ)、修験道、桜の名所としても名高い山里です。桜の季節には、全山がピンク色に染まるといいます。私が訪れたときには、麓はすでに花がおわり、奥深く分け入ったあたりは、まだ5分咲きというちょうど中途半端な時期でした。
 
 


蔵王堂 修験道の開祖、役行者(えんのぎょうじゃ)が修行で蔵王権現を感得し、そのお姿を桜の木で刻みお堂を建ててお祀りした「蔵王堂」が、金峯山寺の草創と言われています。その蔵王堂で、7月7日に「蛙飛び行事」がおこなわれます。


さて、吉野山は、カエル好きにはちと知られた場所でもあります。町のあちこちで、カエルのモチーフをみかけました。それはなぜか?答えは、毎年7月7日に行われる、総本山金峯山寺(きんぷせんじ)の行事と関係があるのです。
(このカエル、ヨッシーという名前です→)

金峯山寺の寺伝によりますと、白河帝の御代(11世紀)に、蔵王権現や山伏の力をバカにした男がおり、その男が大鷲にさらわれ断崖絶壁におろされ、途方にくれていたそうです。そこへ修行中の山伏が通りかかり、男が山伏に助けを求めると、山伏は男を蛙の姿に変えて下界へおろしました。ところが今度は蛙から人間に戻れなくなり、金峯山寺の高僧が男を蔵王権現の前へ座らせ、経文を唱えて人間の姿へ戻したという話があるのです。「蛙飛び行事」はこの話がもとになっているのです。
行事は、巨大な蛙の着ぐるみが蓮台に乗り町を練り歩き、最後に蔵王堂の前で飛び跳ねながら堂内へ入り、僧の経文で元へ戻るというものです。
その他、吉野で見かけたカエルを紹介します。

奥千本、苔清水の近くでみかけた蛙。


カエルだらけの、おみやげ物屋の店先


陀羅尼助丸の老舗、藤井利三郎薬房にて。
三足蛙は藤井利三郎薬房の登録商標。桜の木で刻まれたこの三足蛙は、天から降ってきたと言い伝えられる、家宝だそうです。
陀羅尼助丸は、オウバク、センブリ、ゲンチアナ、延命草、ゲンノショウコなどを用いた和漢薬で、胃弱、食欲不振、二日酔い、食べ過ぎ、消化不良などに効果があるそうです。

吉野のおみやげ

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