2008年12月号でお知らせしたラナウイルスによるカエルの大量死が、このたびついに国内で確認されました。3月1日付の朝日新聞の一面など、各種新聞で報道されています。
記事によると、昨年9月に麻布大学の研究チームが、オタマジャクシからカエルに変態する途中のウシガエル数千匹の死骸を、国内の人工池で発見。数日間にわたり、同じ様な死骸が見つかり、合計で数万匹以上になったということです。そしてこれらの死骸の肝臓と腎臓から、ラナウイルスが発見されました。
ラナウイルスの特徴は、詳しくは昨年の12月号を参照して下されば幸いですが、これまで何度も警告してきたツボカビ症はオタマジャクシでは感染しないことにたいし、ラナウイルスはオタマジャクシで手足が出始めた頃から感染するため、被害数が大きくなる傾向にあります。今回見つかった死骸からは、感染に特徴的な皮膚の出血や指先や水かきの欠損なども見られたそうです。
またこのラナウイルスは、魚や他の両生類にも感染するのですが、現在の所は他に被害は広がっていないとのことでした。DNA鑑定の結果、台湾で発見されたウイルスとDNAの配列は似ていますが、感染ルートは不明とのこと。
麻布大学の研究チームは、「今後全国調査を進め、ウイルスが国内に広がることを防ぎたい。そのためにも、野生動物の不必要な異動は避けて欲しい」とのコメントを発表しています。
また私たちにできることとして、今後何らかのアクションプランが発表されるかもしれませんが、当面はオタマジャクシやカエルの大量死を発見した場合、すぐに専門の機関に知らせる必要があります。クラス便り2007年7月号のリンクなどを参照してください。 |