かえるの学校

死のトラップからカエルを救え! @イギリス ウォリックシャー州(2019年5月号)

死のトラップ=道ばたの排水溝

2018年11月7日のロイター通信によりますと、イギリスで道ばたの排水溝に落ちて、そのまま這い上がれずに死を迎えるカエルたちを救おうと、環境保護団体が救援活動に乗り出しました。
イングランド中部に位置するウォリックシャー州で活動するウォリックシャー両生類・は虫類チーム(WART)は、ウェスト・ミッドランズ地域で、カエルの繁殖池近くにある排水溝に、防さび加工をしたアルミニウムのはしご20個を設置しました。
WARTではしご設置を担当するティム・ジェンキンス氏は、「カエルは繁殖のためにやってきて道路にぶつかる。それを越えると縁石にぶつかる。縁石に沿って排水溝がある。そこに落ちて一巻の終わり」と語り、「両生類のはしごを設置することで、排水溝から脱出して繁殖池に戻り、やるべきことをやってカエルが増える」と、減少しつつあるカエルの生息数を拡大する期待を込めて、はしごを設置しているとのことです。

はしご効果はあったが……


はしごを設置してから、とらわれのカエルは減少しているとのことです。しかしできることに限りがあり、イギリス爬虫類両生類学会が開発したはしごは1個15ポンド(約2300円)と、規模の小さい地方の環境保護団体には高価です。WARTでは自分たちの熱意が英国内のほかの環境団体に活動を促し、カエルを助けてくれるようになればと期待しています。
またとらわれのカエル問題はイギリス国内だけではなく、2012年のオランダの研究によると、毎年50万匹以上の小型両生類が側溝などで命を落としていると発表しています。
先月号で紹介した輪禍の問題だけでは無く、私たちの住環境がこれらの生物に与える影響は、思っている以上に大きいようです。
(参考URL=REUTERS / Matthew Stock)← 実際の救出の様子を写した動画を見ることができます(0分~1分40秒のところまで)

page top▲

■HOMEへ戻る  ■月別一覧ページにもどる   ■授業へもどる