かえるの学校

カエル娘のパートナーは何色?(2019年11月号)

イチゴヤドクガエルの体色はさまざま

イチゴヤドクガエルといえば、一般的には赤い体色に四肢が青色のタイプを思い浮かべるでしょう。しかし実際には赤一色だったり、緑色や青色、さまざまな体色に斑紋がはいったタイプも含めて、「イチゴヤドクガエル」なのだそうです。
ヤドクガエル属は種類が多いのですけど、どの基準でそれらがイチゴヤドクカエルになるのかは、調べてみたのですがわかりませんでした。

恋の相手はママの色

さて、このイチゴヤドクカエルが恋をしました。つがいとなったカップルの雄は緑色、雌は赤色だったとしましょう。やがてかわいいオタマジャクシが産まれました。イチゴヤドクカエルの子育ては、孵化したオタマジャクシを背中に乗せて子育てをします(クラス便り2001年4月号参照)。
その子どもたちが大きくなり恋をした時に、雌の子どもがさまざまな体色のイチゴヤドクガエルの中からパートナーに選ぶのは、赤色の個体の雄になります。つまり、母親の色と同じ相手を選ぶのです。

さまざまな組み合わせの実験から

これはアメリカスミソニアン熱帯研究所などが研究グループを作り、さまざまな組み合わせで実験を重ねた結果です。2019年10月2日付の「Nature」で発表されました。
研究グループは、「赤×赤」から産まれた赤い色の子どもと、「赤×青」から産まれた赤い色の子ども、「青×青」の里親に育てられた赤い色の子どもが、大きくなった時にどの色のパートナーを選ぶか調べました。その結果、どの組み合わせでも雌の子どもはパートナーに選ぶ相手は母親と同じ色の雄でした。この図面の左側の親を雄、右側を雌であると仮定して、赤い色をした雌の子どもはそれぞれ左側から順にパートナーとして「赤」「青」「青」を選ぶということになります。この結果は実親でない里親でも有効でした。
また雄の子どもは、母親と同じ色の雄を攻撃することもわかりました。
これが何を意味するかは、元記事にも書かれてはいたのですけど、難しくてよくわかりません。なんとなくですが、これは多様な体色をもつイチゴヤドクカエルにおいて、遺伝子をきちんと受け渡すための仕組みっぽい感じです。
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