群馬県安中市・磯部温泉のカエル
■温泉記号発祥の地
群馬県安中市にある磯部温泉は、今ではおなじみの温泉記号発祥の地と知られています。
なんでも万治4年(1661)、付近の農民の土地争いに決着を付けるために、江戸幕府が評決を記した文書をだし、その添付図に磯部温泉を記した温泉記号が2つ描かれていたとのこと。調べたところ、これが日本最古の地図記号だということがわかりました。
JR信越本線の磯部駅前や、磯部詩碑公園などに地図記号石碑があります(画像は磯部駅前のもの)。
■舌切雀伝説発祥の地
磯部温泉にはもう一つ「発祥」したものがあります。それが「舌切り雀」。この地に伝わっていた伝説を、明治の児童文学者・巌谷小波が昔話として書き上げたことで日本全国に広まりました。その巌谷小波が磯部滞在中に詠んだ句「竹の春 雀千代ふる お宿かな」があるのが、「舌切雀のお宿ホテル磯部ガーデン」。
代々庄屋の家柄であったというこのホテルには、雀の舌を切ったと伝えられているはさみ・おばあさんが持帰ったつづら・字が薄くなってしまって読むことの難しくなってしまった舌切雀絵巻などゆかりの品々が展示されています。高村光雲作のおじいさんと雀の娘の木像を元に、大きくして彩色を施した木像や、さらにそれを元にしたサイボットショー(けっこうリアルなロボットが、舌切り雀の物語を演じる)もあります。
■貫前神社のカエル守神
ロビーには池があり、そこに小さなカエルの石像「無事カエル守神」がありました。案内板には「恙なきご帰宅を祈りますカエルです」とあります。
これは上野一ノ宮である貫前神社から勧請したカエル守神で、「無事帰る」に縁が深い神社であることは、「クラス便り2017年11月号」でご紹介した通りです。
石像の周りには、「無事帰る」を祈る人々が投げた小銭が散らばっていました。