かえるの学校

「SDG'sとカエル 」(2021年8月号)

持続可能な開発目標(SDGs)

昨今、よく見聞きするSDG's。2001年に国連で策定されたミレニアム開発目標(MDGs)の後継として、2015年9月の国連サミットで「持続可能な開発のための2030アジェンダ」が、加盟国の全会一致で採択されました。このアジェンダに記載されているのが、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。現在、17の目標と169のターゲットからなる「持続可能な開発目標(SDGs)」は、世界中で取り組まれています(日本のとりくみはこちらから)。
さて、今回とりあげるのは、この17の目標のうち13番「気候変動に具体的な対策を」と15番「陸の豊かさも守ろう」に関わるお話です。

SDG'sとカエル

毎年4月22日は地球環境について考えるアースデイです。オーストラリアのフリンダース大学などの研究グループは、このアースデイの前に公開された国際的な保全生物学誌『コンサベーション・バイオロジー』電子版(2021年4月19日付)に、「気候変動により生息地の乾燥化から、カエルなどの両生類を守るために水をうまく管理することの重要性」を指摘する論文を発表しました。
 その骨子は、両生類は、生息地の破壊や環境汚染、感染症などによって多くの種が絶滅の危機にあること。さらに気候変動による乾燥化は、卵を水中に産み、ふ化した幼生も水中で生活するなど、水なしには生きていくことができない両生類の絶滅に拍車をかけていると指摘しています。それを防ぐためにも、両生類の繁殖場所に水をくみ上げ、蒸発を防ぐために覆いをかける。水辺として利用できる時間を長くするなどの方法が有効であることを紹介し、水の管理が人間のためだけではなく、両生類をはじめとする生物のためにも重要であることを説いています。
いま、日本でも国や自治体、企業・団体などが、SDG'sに積極的にとりくんでいます。国際目標というと、自分の暮らしとは関係ないわと思いがちですが、カエル好きの皆さん、今一度、私たちにできることが何かないか、考えるきっかけになればと願っています。
page top▲

■HOMEへ戻る  ■月別一覧ページにもどる   ■授業へもどる