教頭:「おや、校長。読書中でしたか」
校長:「うん、『999ひきのきょうだい』を読んでおったのだよ」 教頭:「そういや、私たちカエルは種類にもよりますが、総じて多産ですね」 校長:「子育てをなさるイチゴヤドクガエルなどは卵の数はすくないが、たいていのカエルはたくさん卵を産んでおいて、あとは頑張って自分たちで生きて行くんだというスタンスだからね」 教頭:「春先の池などで、水底がおたまじゃくしで真っ黒になることもあるからなぁ」 |
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教頭:「そういや古代エジプトでは、オタマジャクシが数字をあらわすヒエログリフとして存在していたそうですよ」
校長:「ほほう、いったいどんな数字かね?」 教頭:「ええ、ヒエログリフでは1は棒、10は牛を繋ぐための道具、百は測量用の綱、千はパックンフラワーに見えるけど実は蓮の葉、万は指、そして10万がオタマジャクシです。さらにその上の100万は驚いている人であらわしています」 校長:「え、これがオタマジャクシ?後足が生えているんだね。なんかカエルっぽいなぁ。それにしてもオタマジャクシが10万の単位とは、かなり大きな数字だね」 教頭:「ええ、エジプトと言えばナイル川ですから、きっとたくさんのオタマジャクシが群がる光景を古代エジプト人は見たのでしょう。それゆえに、多くの数字を表すものとして採用されたのだと思います」 |
教頭:「そういえば古代エジプトでは、カエルは多産ゆえに、妊娠や分娩に関わる神としても祀られていました」
校長:「へー、ヘケト神というのか」 教頭:「ええ、このヘケト神は王侯貴人の生誕の時には、かならず立ち会ったと考えられていました」 |
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「校長、なにやってるんですか?」 |
教頭:「また多産である他、カエルは冬眠してまた眠りから覚めるということから、「生命の豊饒と復活」をもたらすものとも考えられていたようです」
校長:「ああ、エジプトでは「復活」は重要な思想の一つだからね。だから死体をミイラにするんだもんな」 教頭:「カエル型の護符もあったそうですよ」 |
校長:「当校もますます発展するようになればいいねぇ」
校長・教頭:「と、まとまったところで、また次号!来年もよろしくね」 |
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