落語「蛙茶番」
 
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●クラス便り2003年12月号(天竺徳兵衛について)

●蛙茶番wiki (ネタバレあり)
このたびの東日本大震災に際して、被災された方、亡くなられた方へ、謹んで哀悼の意を表します。

 今月は、明るい話題をと思いまして、蛙が出てくる落語をご紹介します。しかも艶笑噺。とはいえ、想像して「ウハハ」という程度の中身ですから、ご安心を。

 この噺は「蛙茶番(かわずちゃばん)」と申しまして、古典落語の一つです。
 素人芝居が盛んな頃、誰もが芝居に出たがり、『仮名手本忠臣蔵』五段目を上演するとなると、みんなが早野勘平(五段目における主役級)をやりたがり、36人もの勘平が舞台に出るなどてんやわんや(この部分にもサゲありです)。
 さて、肝心の蛙がどこにでてくるかと言いますと、『天竺徳兵衛』を上演するにあたり、役でもめないようにくじ引きで配役した所、芝居好きの若旦那がガマガエル役にあたりました。それが不満で上演当日に若旦那が来なかったため、幕が上げられないと騒ぎに。そこで舞台の担当になっている番頭が困って、丁稚にガマガエル役を頼むことになりました。

 ガマガエル役は一件落着しましたが、今度は客席の騒ぎを抑える「舞台番」が来ていないとまた騒ぎに。舞台番は半次という若者で、過日だんなから「化物芝居を演るときに座頭を頼む」とからかわれたことに怒っているとのこと。そこで半次が惚れている娘が「役者じゃなく、舞台番に逃げたところがいい」と言っていたと騙して、その気にさせることに成功。

 半次は舞台番を務めるにあたって、質入れしていた自慢の「緋縮緬の褌」(平たく言えば赤フン)を請け出し、ついで銭湯へ。番台でその緋縮緬の褌を自慢して、盗られるといけないから頭にのせて入浴するといえば、番台が預かるという。入浴している所へ、早く来いと迎えがきて慌てて飛び出した所、肝心の褌が番台に残されたままに。

 これ以降が、艶笑噺の見せ場になりまして、要は緋縮緬の褌を自慢するつもりが…というお話です。最後のサゲにもガマガエルが絡んでまして、よかったら検索して実際の噺を聞いていただくとよいかと思います。youtubeは桂文治師匠が語る、前半部分のみ。ニコニコ動画では三遊亭圓生師匠、三遊亭小遊三師匠など、けっこう見つかります。

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