「クラス便り2004年12月号」で、「全国池田サミット」という名で姉妹都市提携をしている、池田と名の付く一市六町について紹介しました。その中でも徳島県池田町には、野球のユニフォームを着ているカエル像があるとご紹介したのですが、画像がないので皆さんからの投稿をお待ちしていました。
すると3月某日、pennyさんから投稿があり、画像を提供して下さったのです。 |
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pennyさんは、ご自身のWebサイト「旅するカエル」で、全国のカエルスポットを紹介されています。そこで使用されている画像を、今回ご提供下さったのです。どうかこのカエル像についての詳細は、pennyさんの「旅するカエル」から「名所かえる百景」のうち、078景でどうぞ。
pennyさん、画像の提供をほんとうにどうもありがとうございました!
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今月は、通し狂言『児雷也豪傑譚話』を、京都南座で見てきたので、それについてのお話です。
児雷也については、すでに「クラス便り2003年12月号」にて言及しているので、児雷也の説明はそちらを参照してください。 |
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天保10年(1839)に第一篇が出版され、その後3人の作者により29年間、書き続けられたのが『児雷也豪傑譚』。これは未完に終わったけれど、その後これを河竹黙阿弥が七幕の芝居に仕立てたのが、『児雷也豪傑譚話』です。初演は嘉永5年(1852)7月。
この黙阿弥の『児雷也豪傑譚話』がヒットをしたので、その後これを元に様々な脚本がかかれました。私が見てきたのも、そうした脚本の一つです。 |
カエル好きにとっての見所は、なんといっても蝦蟇・大蛇・蛞蝓(なめくじ)が三つ巴になって戦うところ(藤橋のだんまりの場)。蝦蟇は大蛇に弱く、大蛇は蛞蝓に弱い。そして蛞蝓は蝦蟇に弱いという設定は、いわゆる三すくみ。お芝居では、児雷也(蝦蟇)と綱手姫(つなでひめ:蛞蝓)は夫婦なので、大蛇丸(おろちまる:大蛇)はちと不利な立場。
巨大な大蛇がとぐろを巻き目を赤く光らせ、そこへ巨大な蝦蟇が口をパクパクさせながら挑みかかる。蛞蝓はぬめぬめと身をくねらせ、大蛇の力を押さえて蝦蟇をバックアップ。舞台では巨大な着ぐるみがうごめき、気合とともに蝦蟇の背中が割れると、中から鷲に乗った児雷也が飛び出てきて、そのまま空中へ飛び去るという、ケレン味たっぷりの見せ場でした。 |
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また、児雷也が一人で大蛇丸を倒そうとする場面がありました。そこでは大蛇丸の力を押さえ込める綱手姫がいなかったため、蛇に睨まれたカエルということで、児雷也が返り討ちにあいます。そして、目が見えず足萎えになってしまいました。
この児雷也の窮状を救うのが、生き別れになっていた姉あやめの存在でした。あやめは「巳の年、巳の月、巳の日、巳の刻」生まれで、彼女の生き血を飲めば児雷也の病は本復すると知り、正体を隠して児雷也に近付きます。そして児雷也に恋しいと迫り、その思いが受け入れられないと知ったあやめが、短刀で児雷也を殺そうと暴れたところ、それを防ごうと抗った拍子に短刀があやめに刺さります。そして苦しい息の下で真相を語り、自分の血を弟である児雷也に飲ませ、児雷也は力を取り戻すのでした。 このエピソードは、『天竺徳兵衛』(03年12月号参照)では、「巳の年、巳の月…」の人を切ったために蝦蟇の妖術が破れる設定でしたが、今回のは『摂州合邦辻』(毒酒を飲んで病を得た俊徳丸を、「巳の年、巳の月…」生まれの継母が自分の血を飲ませて本復させる)を取り入れているので、大蛇から得た呪いを同じ巳(蛇)の血でもって破る設定だったようです。 歌舞伎が初めてでも楽しめる演出でしたし(ミュージカルかと思ったほど)、再演がありましたら、ぜひご覧下さい。 |