伝統芸能におけるカエル @ 国立劇場・伝統芸能情報館(2023年9月号)
■企画展「怪談物のつくりかた」
2023年4月22日~8月20日まで東京の国立劇場・伝統芸能情報館にて、「怪談物のつくりかた - 役者の芸と仕掛けの世界 ー」という企画展がありました。
今回のこの企画展では、歌舞伎の上演に使われるカエルの着ぐるみが展示されているというので、すっ飛んで行ったしだいです。
■歌舞伎におけるカエル
歌舞伎の演目でカエルが出てくるものとして、以前「
クラス便り2005年4月号」で、通し狂言『児雷也豪傑譚話(じらいやごうけつものがたり)』をご紹介しました。このほかにも『天竺徳兵衛』シリーズ(
クラス便り2003年12月号参照)や、『忍夜恋曲者~将門(しのびよるこいはくせもの~まさかど)』にも登場するそうです。それらの演目で使用されるのがこの蝦蟇で、役者が中に入って演じていました。大きな口、金色の目で、とても迫力があります。
また最近では口から煙を吐くような仕掛けがついた、さらに巨大なガマガエルも舞台で使われているそうで、パネルで紹介がありました。
巨大なガマガエルが出る演目は、見た目に楽しいので江戸時代から人気が高かったようです。錦絵や草双紙の題材にもなっていて、それらの展示もありました。
■効果音のカエル
展示には、舞台上には出てこないカエルもありました。それが「蛙(赤貝)」で、ギザギザがある側をすりあわせてカエルの鳴き声を演出しました。
ほかにも「怪談物」とあって、骸骨や人魂、ちょっと不気味な子ども人形の展示もありました。